マルテンサイト系ステンレス鋼を溶接した際に溶接部の硬化や応力が発生し、製品の品質に大きな影響を与える。今回の目的としてその溶接で発生した 素材の硬化や組織変化、並びに応力を溶接後と溶接後熱処理後に観察し、硬化した組織の軟化や応力を緩和させる為の熱処理温度条件を探り、製品製作 メーカーとして製作法案の確立と品質保証を目的として本研究を実施する。
テーマ名 | マルテンサイト系ステンレス鋼の熱処理後の硬度変化 |
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企業名 | 株式会社 旭製作所 |
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連携先 | 茨城大学 工学部 |
事業の目的
事業の成果等
本研究を(1)素材の硬度測定・組織観察、(2)溶接後の硬度測定・組織観察・応力測定、(3)熱処理後の硬度測定・組織観察・応力測定の順に実施する。2/26現在、(2)のステップまで完了しており、(3)以降については後報とする。本研究の着地点としては変態点温度以下(JIS Z 3700で規定されている595~700℃)で溶接後熱処理を行い、硬度が素材時程度まで軟化して残留応力が-50MPa程度まで緩和出来れば構造物が熱処理後の拘束開放時に製品の動きが無くなると判断する。
◎研究内容(2/26時点)
(1)素材の硬度測定・組織観察
・硬度は平均170HV(ミルシートと同値)
・複雑な粗大化した組織と微細化した組織が複雑に重なっている。
(2)溶接後の硬度測定・組織観察・応力測定
・硬度は最大360HV程度で想定通り溶接部と熱影響部が硬化している。
・素材段階同様に粗大な粒と微細な粒が混在する組織が確認された。
・応力は最大-460MPaと大きな圧縮応力が測定された。
産学連携の取組
一昨年も弊社の溶接材料に対する硬度測定及び組織観察に協力頂いております。
内容的に非常に地味なテーマについてではありますが、先生と学生の皆さんで詳細に解りやすく報告されていて非常に嬉しく感じています。
今後も学生の方々と弊社のスキルアップに繋げたいと思います。
連絡先
株式会社旭製作所
〒317-0052
茨城県日立市東滑川町5-5-40
TEL:0294-43-3451
FAX:0294-43-3452
茨城大学 工学部
〒316-8511
茨城県日立市中成沢町4-12-1
TEL:0294-38-5004
FAX:0294-38-5280