長期振動を測定する傾斜測定システムと短期振動を測定する加速度計測装置を200m級の高層ビルに設置して長期にわたる振動計測を行う。
システムから得られたデータと気象データを用いて機械学習処理を行うことで、気象条件あるいは地震などと建造物の長期振動との関係を明らかにして高層建造物の健全性評価方法を確立する。
建物の劣化などの傾向を把握することにより、早期診断や復旧などが可能となる。
テーマ名 | エレベーター試験塔を利用した高感度傾斜計測に関する研究 |
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企業名 | 有限会社ジオテック |
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連携先 | 国立大学法人茨城大学 |
事業の目的
事業の成果等
- ・建物のヘルスモニタリングを目的として,気泡管とカメラを用いた高感度傾斜計測装置とMEMS型の加速度センサを用いた傾斜および 振動計測装置を開発した。
- ・その後開発した装置を実際に高層建築物内部に設置し、実装実験を行った。
- ・最上部では、建物の日周運動が確認できた。
- ・今後長期的なデータ蓄積により、建物の特性の把握などを行い、建物の健全性診断に役立てる知見を得たいと考えている。
産学連携の取組
- ・当社ジオテックと茨城大学は、これまで10年にわたり気泡管とカメラを用いた高感度傾斜計測手法を開発し、研究を続けてきた。その成果として共同で傾斜計測装置を開発し、傾斜計測 システムとして製品化している。
- ・本研究は、その成果を生かして高層建造物の健全性評価方法を確立するものである。
- ・加速度センサを用いた振動および傾斜計の開発並びにデータの解析は、茨城大学が主として実施し、気泡管を用いた傾斜計の開発および開発した装置の現場への設置並びに維持管理は、有限会社ジオテックが主として実施した。